ドクター・スタッフ紹介
■歯科衛生士紹介
加藤 典
(かとう のり)
写真

プロフィール

1982年 大宮歯科衛生士学院(現在大宮歯科衛生士専門学校)卒
1982年 一般開業医勤務
1997年 スウェーデンデンタルセンター勤務 現在に至る


最近の主な著作論文

歯科衛生士(THE JOURNAL OF DENTAL HYGIENIST) Vol.24 No.1/2000
科学に基づいた医療を提供する一員として、レベルアップが目標です

本当のことが知りたいという切実な願い

 スウェーデン・デンタル・センターに勤務して、この12月でまるか年になる加藤さんは、「この医院に勤められなかったら、別の仕事に就いていたかもしれません」と苦笑する。同医院のスタッフとして入る前は、2ヵ所の歯科医院に計12年間勤務した。その間、臨床に臨床における病状の再発について、ずっと疑問を抱いていたという。一度は状態が改善されても、いつの間にか後戻りするケースにもしばしば出くわした。医院によって治療法は異なり、翻訳の関係などにより、海外の最新歯科医療に関する情報にも遅れが生じる。確実に効率よく歯科衛生士の役割を果たすには、どうずればいいのか。解決策はみつからず、疑問は積み重なるばかり。歯科衛生士としての限界をも感じたという。「現状に甘んじた状態で、この先この仕事を続けていいのだろうか…」

 自信を失いつつある中、歯科先進国の技術を自分の目で見てみたい、海外で学び直したいという思いにかられ、渡米。語学研修をしながら現地の歯科大学を見学したり、歯科衛生士と会うなどして情報を収集したが、迷った末、留学を断念して帰国することに。「歯科衛生士学校の先生に相談した際、教育制度や就職の受け皿、金銭的な問題などをきちんと提示された上で、『残りの人生をかけるだけのメリットはありますか?』と問われたんです。アメリカでは歯科衛生士は独立した一つの職業であり、彼女たちは自信と誇りをもって仕事をしていました。一方、日本では、まだまだ歯科医のアシスタント的な存在とみられています。金銭的な事情もありましたが、せっかく海外で最新技術を習得しても、日本ではそれを生かす環境がまだ整っていないように思えたのです」

 帰国後、就職活動をしていたある日、一般誌で本医院の院長(弘岡秀明先生)が執筆した記事を目にした。そこでは、スウェーデンと同等の治療が行われているとある。「ここで働きたい!」と願った加藤さんに、予期せぬ幸運が訪れた。数週間後、求人雑誌にスウェーデン・デンタルセンターの募集広告が載っていたのである。面接での強力な自己アピールは、院長に彼女の熱意を十分に伝え、晴れて採用。念願の職場で働き始める切符を手に入れた。

歯科衛生士としてのスタートはこれから

 仕事に慣れるまでは大変だったが、それを苦に感じたことは一度もないという。「この医院に入れたことは本当にラッキーだったし、毎日嬉しくて人より早く出動してしまうぐらいです。仕事で充実感を初めて味わいました」と加藤さんは笑う。その大きな理由は、医院の方向性にあるのだろう。「院長は、Tう蝕と歯周病は感染症なので、感染の除去ができていれば病気は必ず治る"と考えています。

 感染の除去をいかに行うかは、歯科医療のベースである科学に則っていこうと。実際、その通りに診療することで、病態は確実に改善されていく。そうした治療に携わったのは、初めての経験でした」加藤さんの感動はさらに続く。「臨床での疑問を院長に問うと、科学的根拠に裏付けされた答えがすぐに返ってきます。納得できるし、患者さんにも直ちに還元できる。暗中模索の状態から、ようやく出口を見つけたという感じです」加えて、院長が5年間スウェーデンに留学した間に築いた人脈のおかげで、スウェーデンの最新歯科事情がリアルタイムで伝わってくる。日本にいながらスウェーデンの最新歯科治療を知り、患者にも提供できると、治療する側・受ける側の両方にとってもメリットは大きい。

kato&rena
イエチボリ大学で歯科衛生士のレナと。


kato&rena
インプラント手術時にはアシスタントも行う。


 「当医院は重度の歯周病の患者さんが大勢来院されるので、高度なSRPテクニックは身につけなければなりません。毎日が勉強の連続ですね。でも、職場環境が整っているので、仕事をしやすい。歯科衛生士としての新しい一歩を踏み出す方向性がはっきりしてきました」現在、加藤さんは外国人の患者担当であり、治療方針や今後の治療内容を説明している。彼らとのコミュニケーションをより円滑にするため、週一回英会話学校に通い、会話力に磨きをかける一面も。そんな努力家の加藤さんに、昨年6月スウェーデンで学べる機会が与えられた。「現地の大学、開業医、企業などを見学しました。スウェーデンで印象的だったのは、女性の労働環境が整っていること。結婚や出産は人生のほんの一部、仕事はずっと続けるという気迫があり、うらやましく思いました」

 アメリカ、スウェーデンと歯科先進国の内情を見た彼女に、日本の歯科の現状について感想を聞いた。「世界レベルにはまだまだ達していません。患者の知識不足の解消や、歯科衛生士の技術や知識、コミュニケーション能力のレベルアップを図り、バランスよく習得していくことが必要でしょう。それは、私自身の目標でもあります。また、ゆくゆくはホームページなどで、歯科医院を訪れなくても歯科の悩みに対応していける場を提供したいですね。

 正しい知識をより多くの人に伝える手伝いができたらと思っています」地道に努力するお人柄の加藤さん。この夢もぜひ実現させてほしい。

Copyright(c)2002, Sweden Dental Center All rights reserved.