SDC活動報告
Lars Sennerby教授来訪および特別セミナー:2001年10月19日
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イエテボリ大学ハンディキャップリサーチ研究所のセネビー教授(Lars Sennerby) ジャーナルクラブ(SDCグループ勉強会)での講演
 イエテボリ大学ハンディキャップリサーチ研究所のLars Sennerby教授が10月19日に当センターを訪問され、特別セミナーを開催されました。Sennerby教授は、世界のインプラント学でも高名な先生で、おもにインプラントの初期固定に関してのテーマを中心に講議され、オッセオインテグレーションに関する最新のコンセプトを臨床応用したOstellに関して理解を深めました。当日は首都圏で活躍しているスウェーデンに留学経験の臨床医が集まり、全て英語での講議と討論を行いました。


Ingvar Ericsson教授特別講演(協賛:(株)ノーベルバイオケア):2001年9月27日
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マルメ大学歯学部補綴科エリクソン教授(Prof. I. Ericsson)(右)
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SDCでの手術風景
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ジャーナルクラブ(SDCグループ勉強会)での講演
 去る平成13年9月27日、スウェーデン・マルメ大学補綴科Ingvar Ericsson教授による特別講演が開催された。Ericsson教授は、弘岡先生のイエテボリ大学歯周病科留学当時、同科の助教授であり、咬合性外傷と歯周病との関係がご専門で、Nyman, Lindheらと共に著名な論文を執筆されている。

 さて、午前の部のライブオペでは、歯科医師免許の関係上、弘岡先生が執刀され、Ericsson教授にはチェアーサイドのオペアシスタント及びアドバイザーとしてご協力いただいた。オペ内容は上顎無歯顎の14〜24相当部に8本のタイユナイトタイプのフィックスチャー埋入であったが、顎骨の頬舌的幅径が小さく難症例であった。埋入後はフィックスチャーのスレッドが広い範囲で露出した状態となったが、その表面にスペースメイキングの為に他の部位から摂取した骨片でカバーして対処した。オペ後、受講の先生からGBRが必要ではないかとの質問があったが、初期固定が得られた場合必ずしもフィックスチャーが骨組織に被覆されている必要はないとのことであった。骨量の少ない難症例への対応に関して示唆に富んだオペであった。

 午後の部ではインプラント治療と歯周病との関係についてご講演を頂いた。インプラント周囲炎から検出される細菌は歯周病とほぼ同じであること、歯周病患者においても、適切なプラークコントロール下においてはインプラント治療の予後は良好であること等、論文に基づいてご講義いただいた。弘岡先生から重度の歯周病患者に対してのインプラント治療が良好に経過している症例が発表されたが、重度に罹患していた歯牙が、歯周治療後長期にわたって健康な状態を維持している事実に着目すべきであり、歯牙保存が基本であることを忘れてはいけないとの指摘があった。


Dowen Birkhed教授 特別講演会:2001年6月23日
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イエテボリ大学歯学部う触学教室ビルクヘッド教授(Prof. D. Birkhed)(右)
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ジャーナルクラブ(SDCグループ勉強会)での講演
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東京フォーラムでの講演会
 抄録『ここまできた北欧のカリオロジー』

 6月23日、24日の2日間、イエテボリ大学歯学部カリオロジー教室のDowen Birkhed教授らをお招きし、クリニカルコース及び講演会が開催されました。理解しやすいスライドと丁寧かつユーモア溢れる解説、そして1分の狂いもなく講演が進行し、研究者のみならず一流の教育者の姿を見せていただいた2日間となりました。

1日目:クリニカルコース〔会場:(株)城楠歯科商会東京本社研修室〕
 最初にDowen教授によりカリエス診断機器DIAGNOdentTMの原理、使用法と有効性について解説をしていただきました。DIAGNOdentTMは咬合面小窩裂溝の初期カリエスの診断が可能な機器ですが、現在、隣接面用にも応用可能なタイプを開発中だそうです。
 次に「カリエスリスク診査と治療の戦略」と題してPeter Lingstrom助教授による講議、唾液と細菌の検査のデモが行われました。
 そして、今話題のCarisolvについては、開発者の一人であるSolveig Fure助教授によって講議とデモが行われました。時間のかかる治療法であることは認めながらも、化学的方法で感染歯質のみを除去するという理にかなった治療法を開発しているという誇りが感じられました。その背景には歯科疾患の予防という概念がしっかりと根付き齲触罹患率が低こと、そしてこのような研究開発に対する国の理解があることが大きいように思われます。
 最後にDowen教授によるPMTCについての講議とデモが行われました。PMTCの後には必ずフッ素を塗布すべきであることを強調しておられました。

2日目:Dowen Birkhed教授講演会(会場:東京フォーラム)
 さて、いよいよDowen教授の名講議の日となりました。以下の項目順に講演が進みました。

1. Cariological problems in elderly
 高齢者におけるカリエスリスクの増大の要因として、残存歯牙数の増加、根面カリエスに罹患しやすい解剖学的条件、唾液流量の減少、高齢化による食物摂取時の機能的変化、プラークの質の変化等が挙げられました。予防策としてホームケアとプロフェッショナルクリーニングが具体的に解説されました。

2. Caries risk evaluation
 カリエスリスクの評価項目として、年令、いままでのカリエスの罹患度、プラークの量と質、食事、唾液分泌率、唾液緩衝能、ラクトバチルス菌、ミュータンス菌が挙げられました。そしてそれぞれを高度(赤)、中等度(黄)、軽度(緑)に色分けし、カリエスリスクの程度が認識しやすく工夫されていました。これに対する戦略として、クロルヘキシジン、フッ化物の応用について詳しく解説され、また、フッ化物入り歯磨剤を全ての歯面に長時間停滞させる為の「イエテボリテクニック」も紹介されました。

3. Dietary advice
 炭水化物摂取後、プラーク内細菌の代謝産物の酸が、プラークのpHを低下させ、歯面の脱灰を生じさせますが、唾液の緩衝能により再石灰化するpHに上がります。しかし、間食等の摂取回数が頻繁であったり、唾液分泌量の少ない夜間に摂取すると再石灰化する時間が短いのでカリエスに罹患しやすい状態になります。患者への食事指導は、この点を特に理解させることが大切であることを強調されていました。
 また、キシリトール入りのチューイングガムを咬むことにより、カリエス罹患率の減少が認められたが、これはただ単にキシリトールによるものではなく、咬むことによる唾液分泌量の増加によるものであることが解説されました。

4. New methods in Cariology
 前日のクリニカルコースでも紹介されたCarisolvとDIAGNOdentTMについての、要点について解説されました。

 以上、臨床において歯科医師が患者に対してインフォームドコンセントする際に必要な知識と、イエテボリ大学カリオロジー教室で行われている具体的な予防プログラムが、過不足なく理解しやすく解説された内容でした。
 最後にDowen教授の奥様も壇上に上がられ、仲睦まじい教授御夫妻に主催者側より記念品贈呈が行われ、和やかな雰囲気の中で2日間の幕を閉じました。

歯界展望3〜5月号に連載された「Cariology-the Swedish way(Dowen Birkhed、大野純一、弘岡秀明共著)」は、今回の講演と同一のテーマであり、講演を補足する内容も含まれておりますので、ご参照下さい。

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